ウイルスやワームによるシステムの破壊なんて,かわいいものさ。ハードウェアから吹っ飛ばす,そんなネクスト・アタックが,やって来る。
トム・マーティン教授は,バッテリー稼働のコンピュータのパッテリーを消耗させる攻撃に対する防止方法を研究している。そのような攻撃はまだ現れていないが,Dos攻撃を行うことで繰り返し要求を処理させ,その間に電池を使い果たしてしまうことや,電池を消耗するタスクを繰り返し実行するウイルスの登場などが考えられる。
すべてのコンピュータはまだ,自家発電を行う装置を持っておらず,なんらかの電力供給を行わなくては命を維持できない存在だ。たとえばサーバーなどでも,なんらかの理由により大規模な停電が起き,予備電源装置へと切り替えられたに,電力消耗を狙った攻撃が起きたとしたら…,そのときになにが起こるか? 想像すると恐ろしい。
さらに,他の攻撃もやってくる。たとえば現在のコンピュータのCPUは冷却装置なしでは存在できないものがほとんどだ。グラフィックカードも同様のものが多い。冷却装置が止まれば,ほんのちょっとの時間でオーバーヒートが起こり,暴走する。その攻撃を行うパラサイトボムが,ネットワークを経由して送り込まれてくる社会,はそんなに遠い未来の存在ではない。電力がなくなり,冷却もとまる,そのでも動き続けるコンピュータは,敬うべき存在なのだ。
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